第一章 「少年犯罪の凶悪化」言説の妥当性
一般イメージと統計の乖離
一般イメージ
→最近は少年による凶悪犯罪が急増している。
統計データ
→主要犯は増えているが、それは軽微な犯罪も含めてのことである。それゆえ、主要犯の増加をもって、凶悪犯罪の増加を語ることは出来ない。凶悪犯が増加しているという「認知」が形成されているわけがあるのでは。
少年たちの幼稚化
少年たちは半人前と見なされるがゆえに、可塑性に富んでいると考えられる。しかし、現在では少年たちを一人前の人格を持っているという気運が高まっている。ところが、少年への刑事処分率は低下している。そのため、少年犯罪の幼稚化が進んでいると考えるべきである。