とにかく分厚い本…。
第一章まで読んだが、正直とりあえずギブアップ。フランス史の知識が全く欠けているので、全体像を想像することができずに辛いという感じだ。まずは、フランス史のお勉強でもしよう。新書で三冊ぐらい読むか…。ひとまず、序論の議論をまとめておこう。
国籍、それは実際法的なものだ(p.19)。
国籍は、フランス人という概念を法的に相続させるための装置であり、その手段は以下の四つが挙げられる。
(1)生地主義
(2)血統主義
(3)住所
(4)婚姻
人口集団と領土はしばしば、一致しない。それゆえ、国籍の議論は混迷を極める。つまり、フランス人の範囲の画定は困難なのだ。
国籍、それは一個の政治でもある
国籍の立法を行うことは、フランス人の基準を設けることだからだ。このあたりの議論はブルーベイカーの議論とも被る部分がある。ブルーベイカーは、フランスの自己理解はシティズン的だから、生地主義が導入されたと結論付けた。しかし、ヴァイユはそのような議論を神話であると批判する。ヴァイユは、三段階を経てフランス国籍法は成立したとしてる。
⓪封建制―封建制により、領土内に居住していた外国人は自動的に帰化。
①革命期―民法典導入により、血統主義が盛り込まれる。これにより、封建制の打破が図られ、国籍は属人的な権利となる。
②19世紀末―移民の増加と帰化の少なさにより、外国人人口が増加。血統ではなく、「社会化」、つまりいかにフランス人っぽくなっているかという指標が付け加えられる。
③第一次世界大戦以降―人口減少が問題となる。これの解決のために、帰化や結婚を通したフランス国籍が付与が推し進められる。